「第14回中国国際タイヤ博覧会」(CITEXPO2016)が9月26日~28日の3日間、上海世博展覧館(上海市浦東新区)で開かれた。同展示会は中国のローカルメーカーを中心としたアジア最大級のタイヤトレードショーで、2003年から毎年開催している。会場ではタイヤ関連企業から約400社が出展し、新製品やサービスを紹介するとともに、活発な情報交換を行った。日本でもビジネスを展開する企業の中から5社にスポットを当てた。
農機用タイヤやソリッドタイヤの製造販売も行っている同社は、グローバルタイヤブランド「ADVANCE」(アドバンス)を中心に、産業車両用タイヤ「GLR02」をはじめ、建設車両用タイヤやトラック用タイヤの代表商品を展示した。 全体の約4割を占める海外販売のうち、米国への輸出が約3分の1。ただ、米国は今年8月に中国製トラック用タイヤに対して関税措置の適用を仮決定した。最終的に適用されれば、どのように対応していくのか――游傑総経理は次のように話す。
「カナダや中南米、アフリカでの販売を拡大していく。とくに大需要地であるアフリカでの販売比率を海外全体の約15%に高める。また日本市場は5年累計で500万ドル(約502億円)を目指していきたい」
また中国国内で9月に始まったラベリング制度については、「この制度によって業界全体の品質向上が期待できる。当社はすでにサンプル品を試験機関に出しており、現在はテストを行っている」としている。
日本で「MAXTREK」ブランドを展開している同社。ブースではSUV用タイヤ「SIERRA S6」をはじめ、偏摩耗性を抑制しながら乗り心地を向上させた乗用車用タイヤ「FORTIS T5」を出品した。
2006年に設立した同社は広東省に本社を置き、主に乗用車用タイヤの製造販売を手がけている。広東省に年産700万本の生産拠点を構えているほか、今年3月に同社にとって初の海外拠点となるベトナム工場の建設に着手した。2018年の生産開始を予定しており、年産600万本を目指す。
販売面では「MAXTREK」と「ANTARES」(アンタレス)の2ブランドを展開する。日本では「MAXTREK」ブランドをオートウェイを通じて販売しているが、一部の代理店では「ANTARES」ブランドも取り扱っている。
于徳誠マーケティングディレクターは、「日本へ進出してから3年。この間、販売は少しずつ伸びてきているが、まだまだ成長の余地がある。まずは5年後に年間販売量200万本を達成したい」と意欲を示した。
来年、日本進出から10年を迎える同社のブースでは「Techking」ブランドから日本向けのクレーン用タイヤ「ETCRANE」を出品した。また中国で需要が拡大する低速EV用タイヤなどを展示した。
同社はオールテレーンやクレーンなどの建設・鉱山車両用タイヤ(OTR)を中心に生産販売を行っている。中国国内メーカーのみならず、すでに独・リープヘルなど海外の建機メーカーへも新車装着用タイヤを供給してきた。
劉峰マーケティングマネージャーは「現在、OTR事業は全体の約6割を占めている。主要市場である欧州やアフリカ、オーストラリアでの販売が好調だ。また日本もこの2年間は着実に伸びている」と述べた上で、「今後もOTRの開発に注力していく」と語った。
乗用車用タイヤブランド「THREE-A」(スリーエー)や「Aoteli」(オーテリー)を中心にブースを展開した。
同社は2002年に創業し、グループ全体の生産能力は現時点で年間約1800万本。販売面では中国国内で130カ所以上の販売拠点を有しており、海外では欧米が主要な市場としている。
日本市場は競合他社との価格競争が激しくなったため、今年は計画をやや下回っているという。
徐軍峰副総経理は「我々は価格よりも品質を重視している」とし、引き続き、中国国内のOE事業に力を入れていく方針を示した。